花向けの言葉

私がお勤めをしている仕事場(造園会社勤務)に社会勉強の一環として、大学生が研修にきていた。いよいよ今日で最終日。花向けの言葉として、社長さんが研修生に伝えてはった言葉が忘れ難い。それは、問いかけから始まった。
「武士や技術士の“士”って意味がわかるかい?」と。ぼんやりと首を振る研修生にこう仰っていた。「“士”っていうのは、道を志す者が独りで立っていることを言うんだよ。自分ならではの技を磨いて、自分の責任において、物事をやる。精神的に独り立ちすることを言うんだね。」

仕事の片手間に耳に入ってきた言葉にいつの間にか聞き入っていた。あぁ、そうや。
茨木のり子さんの、詩(うた)をも思い出しました。
“よりかからず。”
初めて、この詩集を読んだのは高校生の頃。あまりに凛とした主張に、ぼうっと見とれた日のことを。

「この会社にいる一人一人のスタッフは、お互いに一緒にやっているパートナーであって、寄りかかっている訳ではないんだよ」、と。

“よりかからず”という言葉を改めて、噛み締めたいなぁ、と思いました。

さて、研修生の皆さん。炎天下の元、剪定作業や果てしなく続く草むしり作業…などなど、随分とタフな日々だったことでしょう。あの広大なお花畑の除草作業の日。あの日は、よりによってすこぶる晴れた夏日和で、海に行きたくなる程のピーカンな空!なのに、私達は、山に引きこもって草ばかりむしっていました。
私にとって、屋外での作業は、しんどい反面、めちゃくちゃ楽しいものであっても、あの炎天下では辛そうやったな。…ほんまにお疲れさまでした。

先日あの場所に、コスモンスの種を撒きました。秋になったら、きっとキレイに咲くのでしょう。いつか見にいらしてね。