線路沿いの花

ookakiuchi2005-06-09

大宮と花園の2つの街を行き来している私にとって、電車と自転車は、生活の一部以上の存在。大宮という地方都市から、花園への街並みの違いは、見ていて本当に面白い。全然飽きない。2つの街を移動するがゆえの“気づき”は、たくさん存在する。2つの街があまりに違う様子を呈しているので、反作用として目に入る。花の見頃が違う…、とか、建物の代わりに緑や花が目に入る…、とかとか。どちらが良い・悪いではなく、どちらも新鮮。どちらも好もしい。

秩父線は、のどかに走る電車だ。四季折々、窓越しに花が見える。電車の音すら、かたりかたりと、1つづつリズムを刻む感じ。最寄りの“小前田駅”のプラットホーム沿いには、今現在ヤグルマソウと、タチアオイが咲き乱れている。タチアオイの鮮やかな存在感!すくりと、背ぇ高に咲く花は、思わずホームを降りて近づいてみたくなる花だ。立葵は、梅雨のはじめ頃に咲き始め、咲ききる時が梅雨の終わりだと聞いたことがある。言わば、梅雨のはじまりと、終わりを知らせる花。農業を営んでいた祖母は、“立葵咲けば、田植えしようぞ”と、言っていた。今思うと、農業の暦的な役割を担ってたんやろな、ということに気づく。

様々な役割を担いながらも、至る所でさくこの花は、英名では“Holly Hock”=“神聖な”という意味を持っている。なんとなく、うなずいている

【今日のひと花】タチアオイ(学名:Alcea rocea)/英:Holly Hock/和:立葵/原産:中国,西アジア,東ヨーロッパ/花期:6〜8月/二年草と短命な多年草。人並み以上に成長する背の高い穂状花序。土質を選ばす、かなりやせ地でも花を咲かせる。