強健である、ということ

ookakiuchi2005-07-14

仕事場に、クロコスミア(姫緋扇水仙)を生けている。うす青いグラスに、クロコスミアのパキッとした強いオレンジ色は夏らしさを感じさせる。灼熱の太陽と、スカイブルーの海色。などと、思っていると俄然海が恋しい昼下がり…、気分。

私の友人の中で、1人だけ驚異的に夏好きの夏女がいる。“もうすぐ、夏ねっ。”などという書き出しで手紙をくれて、はちきれんばかりに楽しそうだ。1年中夏に恋する夏女なのだ。…多分。彼女とは、中学校卒業以来会ってへんけれど、夏を心待ちにしている彼女は、想像に容易い。暑い夏風に吹かれて、真っ向から喜んでいるひまわりみたいに陽気だろう。
陽気で、うららかで、反面うららかすぎて、何もかも破れかぶれや!と思っていた中学時代。やりたい放題やってのけるので(今思うと、かわいらしい)、学校の枠からは、随分はみ出て怒られた。先生に怒られ、校長センセにはつかまり、こってり絞られた。…なのに、全く懲りていなかった。

クロコスミアを見ていたら、なんだかそんな事を思い出した。この花は、“南アフリカを原産とし、暑さ・寒さにも強く、強健で管理は不要”とされている。遠い中学生の頃、やぶれかぶれだった頃、沈没船でも構わないと思っていた頃、私と彼女と友達達のヒドい有様は、なんと強健だったことだろう、と思う。今度、彼女に手紙を書くときは忘れずこの花の事も伝えねば…、と企んでいる。

崖っぷちでも構わない、とさえ思い込み、喜んで飛び込んでさえいたのだから。

【今日のひと花】クロコスミア(学名:Crocosmia)/英:モントブレチア/和:姫緋扇水仙 /アヤメ科耐寒性球根/原産/南アフリカ/花期:7〜9月/日なたと水はけの良い用土を好む。暑さ、寒さにも強く、強健で管理は不要。