風の丘にて

ookakiuchi2005-08-22

NPO遊学会主催・子供達参加の“土がまキャンプ”に、ボランティアとして参加する。今回のキャンプは、前回7月に作った土粘土による陶芸作品をいよいよ“土がま”で焼くことに!この“土がま”すらも、皆の手によって作り上げるのだから、驚いてしまう。赤土に水を注ぎ、もちもちになるまでこねる、こねる…。手でこねたり、素足で踏んだり…、と文字通りの泥んこ三昧。私もハシャぐ子供達の集中砲火を浴び、誰よりも汚い有様に。…助けて。どろどろのボロジャクシになるまで、容赦なく、汚されましたとも、ええ。作品を積み上げ、周りを稲穂で囲い、その回りを先ほどこねた土を乗せて泥山を作る。おおよそ、土塀を作るときの様子に似ていた。泥山に土だんごで、ハートや星などの装飾を施し、愛らしい土がま完成。これで、翌朝までじっくりじっくり焼き上げる。

土窯のあとは、夕食作り。手作りミートローフやパエリヤや…、随分手の込んだ賑やかな食卓だった。皆で、協力して作る食卓は、皆の想いが宿るせいかやたらとおいしい。今宵の料理長は、この土窯キャンプが開催されたカフェギャラリーの近所にある、魚屋さんの娘さん“みったん”さんだった。星の王子様のようなベリーショートがよく似合う、可愛らしい雰囲気の彼女は、心から料理が好きなのだろう。料理に腕を奮い、子供達にてきぱきと教える姿がとても感じがいい。その料理愛は、空気を震わせて、届く感じ。子供達も、食いいるようにその手さばきに見入っていた。作る姿を見ているだけで、愉しい気分になるし、食べれば元気になるし!食べる、そして生きる、という一見単純な事が、こんなにもカラフルで愉しい出来事なんやなぁ、なんて思わせてくれるヒトコマだった。きっと、デパートのおいしいお惣菜コーナーでも、この日の味は、太刀打ちできない。改めて、手手料理って素敵だな、と感じ入った。

その後も、紙芝居にナイトハイキングに花火に…、と書ききれない程長―い夜で、この夜は覚めないんじゃないかというぐらい、冴えていてトキめく夜だった。

キャンプである以上、愉しい部分もあれば、タフな部分も勿論ある。小学1年生から6年生まで、年齢は幅広い参加者の中、子供達にとっては、日常とは違う煩わしい部分もあったと思う。けれど、タフな部分をわかちあったり、愉しい部分を共有したりしているうちに、妙な連帯感が生まれるもの。昨日まで、全く知らない人同士だったのに、こんなにも気持ちが近づくんやな…、と久々に新鮮だった。キャンプにはまるヒトは、こういった出会いと体験に中毒になっちゃうのかもな。そんな事を思いながら、一期一会を噛み締めた。