ご近所散策とミニマムな世界

ookakiuchi2005-09-03

半径500mの世界で、気づくこと。半径5mの世界の中で気づくこと。こういったミニマムな世界ですら、小さな気づきはたくさんある。グローバル化を叫ばれる世界で、でも、足元も見とかへんとね?ということが、日に何度もあったりする。

“ささやかだけど、役に立つこと”
そういったのは、レイモンド・カーヴァー(米・現代作家のひとり)やったな。高校生の頃読んで以来、内容はまったく覚えていないけれど、なんとなく自分を支える軸のひとつである。微炭酸のようなささやかな物語。弱く震わす泡のよう。このヒトの詩が、もの凄く素敵だった。そういう印象は、とても色濃い。

社内ミーティングの後、社長さんの鶴の一声により、“花園・ご近所散策ツアー”決行。社長さんに連れられ、スタッフ丸さん、春るん、私の3人で散策隊となる。(…それにしても、この構成やと3人姉妹みたいでこっそり笑ってしまう。ハチャメチャ姉妹・じゃじゃ馬姉妹。)たかだか、我が社から半径300m圏内のご近所を見に歩く。花園版、オープンガーデンといったところ。どの家も、それぞれの“独自性”が溢れていて面白かった。1軒目:お花好きの庭。2軒目:船大工の庭。3軒目:日曜大工の庭。4軒目:彫刻家の庭、と。ほらね。タイトルだけでも面白いでしょ。どのお庭も、自分の好きなものを追求して、自らの手で表現した“愛しいもの”がたくさん詰まっている。ある人にとって、それは珍しい花だったり、ある人にとっては、自分の仕事先の“船”に関する部材だったり。どの庭も、“その人であるがゆえ”の面白さに魅了される。主観は客観を左右するねんな、ということを、ワクワクするぐらい感じた。

さて、半径5mの世界。
今日は、ヤマボウシの実を食べた。こんなに近くにあったなんて!赤いヘンテコな形ゆえの可愛らしさを持つこの実は、弱い甘さが口に広がる味だった。私にとっては、“この軽みと弱々しさが、愛しくおいしい”が感想やったけど。丸さんにとっては、 “避難先で何も食べるものがない状況に追い込まれるまで、必要ない”らしい。…この感想の違いはなんやろう。気になった方は、是非一度、お味見してはいかがでしょう。

【今日のひと枝】ヤマボウシ(学名:Corunus kousa) /ミズキ科/落葉高木 /本州から沖縄、朝鮮に分布する。材は、硬い。初夏のさわやかな時期にすがすがしい花を咲かせ、秋こんぺいとうの親分…、のような実をつける。奇妙。でも、かわいい。