盆栽教室

ookakiuchi2005-09-11

大宮と言えば、盆栽町。自転車で40分程かけて、ゆらゆらしながら“清香園”さんという盆栽園へ出掛ける。(そして、道中何度も道に迷う。何度行っても道に迷うのは、毎回ルートを変えるせいだろうか。。)

今日は、“盆栽作り”初体験。“野の花の一鉢”ということで、屋久島ススキ、菊にリンドウをあしらった一鉢を作らせて戴く。初心者のお教室だったので、まずは盆栽と鉢植えの違いから教えて戴く。山田聡子先生(かわいらしい方!)が、右手に“松の鉢”を、左手に“草の寄せ植え”を掲げて「どちらが、盆栽だと思いますか?」と、参加者に向かって一言放った。…う〜ん。黒マツ?がもっともらしく見えるねんけどなぁ、と参加者全員不安げな表情。正解は、もっともらしいと思っていた黒マツではなく、鉢植えのように見える“草盆栽” が正解でした。…その違いは、なんでしょう?

先生曰く、「鉢の中で1年以上の時を経たものが、“盆栽”と名乗れます。こちらの黒松は、植えて1年以下、こちらの草盆栽は、植えて1年以上」とのこと。うぇ〜、知らへんかったなぁ、と小首をかしげる次第です。つまり、春夏秋冬、1年のサイクルを経てはじめて、“盆栽”と名乗る。時間を経て、じっくり成長する過程を尊ぶ、ことなのでしょう。

ミヒャエル・エンデが創作した“モモ”という作品では、町の人々が“時間を盗まれて”あくせく生きているうちに、心を見失う様子が描かれている。その時間泥棒から、“時間”を取り返すのが、ちんくしゃな容姿で可愛くもないのに、愛らしい女の子モモ。彼女が、救世主となって勝ち得た“ゆっくりした時間”。今でいう“スローライフ”ということなのだろう。ミヒャエル・エンデの申し子“モモ”のように、盆栽は、現代の日本社会であくせく働く人の、砦になるかもしれへんねぇ、と思いあたってみたりして。技術の習得だけの盆栽だけではなく、時を感じて季節を巡り、ゆっくり心を落ち着かせること。そういった、豊かな楽しみがあるように思う。

さて、こちらの園で買わせて戴いた“ナンキンハゼ”の盆栽も夏の猛暑を超え、1/4サイクルの季節をめぐったところ。…元気なようで、何よりです。