秋の七草

ookakiuchi2005-10-13

秋の七草をどこかしこで、見かける季節になりました。

“萩の花 尾花(※ススキを示す) 葛花 なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴 あさがおの花(※ききょうを示す)”と、詠んだのは山上憶良。有名な歌ですね。なんとなくゴロ良く、口ずさむ。

電車から見える、野に咲く“藤袴”は、お花屋さんや園芸店で見るのと全く違う趣でいつだって驚かされる。なんといっても、ワイルドなのだ。お花屋さんで見かける藤袴は、圧倒的に繊細な感じ。色みも強くない、儚げ(はかなげ)な風情。西洋の花達のような色の強い、そして存在感溢れる様子とは又違う。ほんまにお店の片隅にひっそり咲いています。…買わずにはいられない。そんな藤袴なのに、野に咲く藤袴は得てして違う。群れをなして“大群”となって揺れている。一瞬、あれが藤袴?と、目を疑う次第です。なんといっても、ふてぶてしい。その違いに思わず、笑わされる。なんて、見映えが違う花だろう。一本だと、夢に舞うかのような、はかなげな姿。一方で、大群によるワイルドかつふてぶてしい姿。まったくもって、したたかだな、、と思わざるを得ないのでした。こんなに、違った面を持つ花も珍しい。

【今日のひと花】藤袴(フジバカマ)/別名:米花、香り草、香水蘭/キク科/多年草/花期:9-10月/花色:淡紅色から白/関東以南の河岸の草地に分布。秋の七草のひとつ。地味な花だが、秋の風情にかかせない。中国での別名は、香草。花が咲いている間は香らないが、半乾きのとき芳香を発する。