開幕前夜

ookakiuchi2006-04-28

天気:晴れ→曇り

開幕前夜。いよいよ明日から本番を迎える。

開幕前夜なのに、なんでこんな事が終わってないんだにゃあ?と小首をひねりつつ心を静めて幕開けを待つ。(毎年、なんらかが終わっていないのはなぜなのか?!)

歌人として有名な石川啄木は、“仕事に関する歌”を数多く残している。その中の一首。“働けど 働けど 我が暮らし楽にならず じっと手をみる”は、あまりに有名な心のつぶやき。

あぁ、そうだ。こんな歌もあったんや。

“心よく 我に働く仕事あれ それを仕遂げて 死なむと思う”

…この3週間あまり、長いようで短い日々、コンテスト参加者の後ろ姿を見続けてきました。行きつ戻りつ、順風漫帆であるはずがない。…むしろ、そんな訳があるもんか。でも、自分の思い描いた“最終形”のイメージまで、仕上げた人が、こんなにたくさんいらっしゃいます。“何かを成し遂げることで研ぎ澄まされる力。”ここに、凄い力が渦巻いているかのようです。

この幕が開いたなら、舞台裏の背景まで知らない方にとっては、どう目に映ることだろう。
なみなみならぬ情熱と、今回挑戦したことで得られた自信は、相手の心を振るわせるかな。どうか、1人でも多くの方が、コンテスト挑戦者の作品を見て下さいますように。

不穏な天気。

ookakiuchi2006-04-26

天気:晴れのち曇り→夜には雨

【参加団体】川原久美子/ぐるーぷ・ペタル/増田耕造/ハーバルライフクラブ/森緑園/fighting/平山道崇/テクノ・ホルティ園芸専門学校フラワーディスプレイ専攻3年/平田直樹/飯田千華・黄 貞娥/インプレイス㈱

イムリミットあと2日。作品制作期限が、あと2日に迫る。

明日はどうやら雨らしい…、ということで、作品制作に更なる追い込みをかけはじめたのが屋外ショーガーデンー部門に出展している方々だった。本来なら、翌日も時間をかけて完成させよう…、などという青写真は、お天気都合により、計算外の事柄になる。…まったく、予定調和なんてありえない。やれやれ。

翌日の天気を考慮に入れて、原則に反して、この日はやむを得ず夜間作業許可がおりる。…こうゆう時に限って気温は下がるし、おまけに空もぐずり出す。ついには、雨も降りだしてしまった。でも、悪天候の中、参加者の鬼気迫る集中力は凄かった。。表情や動きに凄みを感じる程だった。

この ややもするとタフな状況である追い込みで印象深かったのは、去年もほぼ同じメンバーで、参加して下さった“テクノ・ホルティ園芸専門学校造園緑化専攻”3年生チーム。去年よりずっと、精悍な印象を受ける。1年でこんなに成長するんやなぁ。大きな光悦寺垣と土壁が、今年の彼らにふさわしいスケールの大きさを物語っている。

又、インプレイス㈱の職人さんは、この悪天候という事態をやすやすと受け入れて、集中していらした。モノ作りは、“複雑なら複雑な程面白い”とおっしゃっていた言葉がフラシュバックする。…こういった状況に対応できるのも、“困難ゆえのやりがいや手ごたえ”を感じるせいなのかしら。“…職人泣かせのデザインだ”と軽口をおっしゃる一方で、そのやりがいに燃えていた。勿論、口元には“モノ作り”を愛してやまないぶきっちょな笑みが潜んでいた。にやり。

今、雨が降り出した空を見上げながら、連休中1日でも多く晴れる日があることを願ってやまない。どうか、晴れますように。子供のように、ひたすら小さく祈る。

胸つき八丁

ookakiuchi2006-04-22

天気:くもり

【参加団体】ハーバルライフクラブ/パーミィ/インプレイス㈱/Fighting/チーム・めがね/BLACK/関根岳史・百瀬直生/テクノ・ホルティ園芸専門学校インドアグリーン専攻/平山道崇/小澤ゆかり・小島里美/立正大学職員華道部/テクノ・ホルティ園芸専門学校フラワーディスプレイ専攻3年/一庭入魂/増田耕造/茂出木庄一/和っしょい/飯田千華・黄 貞娥

作品制作期間、最後の週末となったこの日。たくさんの方が、会場にいらっしゃる。

さて、ここにきて胸つき八丁。もう少し・もう少しの所で、先は長い…、という山で言うところの8合目付近を彷徨っているコンテスト出展者の方をたくさん見かける。

見えるけれど、届かない。手に触れそうで、まだ触れない、という焦燥感を出展者の方から感じることしばし。でも、その“焦燥感”は自分が手をのばそうとしているからこそ。進行形で動いているからこそ感じる痛みも、その愚かさも人事ではなく私は愛しいと思う。

何度でも飽きずに手をのばすこと。

私もまた、ここでもがいている一人に違いないのでした。

花植え作業

ookakiuchi2006-04-19

天気:晴れ

会場内、花植え作業開始。入口を通り抜け、散策路のメインとも言えるお花畑にて作業。
今回、お花畑のメインは背ぇ高のっぽの“ジキタリス”。余分な程背の高い私の上背に届くぐらい立派な花達に、見下ろされそうな感じ。

今回の花植え作業に、心強い助っ人の方々がいました。コンテナ&ハンギングバスケット協会にて日々活動している方と、ご近所に住むフラダンスを愛好している方にお手を貸して戴きました。

花植え作業にせっせと邁進しながら、普段のお花とのつきあい方・植物への接し方の話題になる。植物を育む人のお話を聞くと皆、愛情が細やかやなぁ、と思う。無意識なんやろけれど、気配り・目配りが凄い。眼差しは優しいのに、良い意味で注意深い。

今日も、自分とは違う世代の方とお話できて、視界を広げて戴いた気がする。世代・価値観・趣味・嗜好が違っても、なんらかの共通する部分があるだけで会話は驚く程弾む。今日は、花と緑によってもたらされた会話が心愉しい1日だった。

会場にいらっしゃる皆さんも、立派な“ジキタリス”を是非ご観賞戴ければ幸いです。

青山展示スペース

天気:くもり

久しぶりに東京都渋谷区青山にある「花園フラワーショー“青山展示スペース”」へ行く。花園フラワーショー・開催ちらしと優待券、おまけに“まるまる通信”の為。青山通りを突き進むとケヤキの若葉が美しかった。道行く人々も色とりどりな程たくさんいて、都会やなぁ、と実感する。(これが花・植木の里にいると、あまり人とすれ違わないので、野良猫ウォッチングになりかわる)

辿り着いた青山展示スペースでは、お馴染みのイーゼルにノートが見開きで立てかけられていた。この展示スペースへ、来て下さった方に感想や日々の他愛ないことガーデニングについてなどを書いてもらおうと置いたもの。さながら、旅先で出会う“旅ノート”のようなもの。

白地のノートには、見開きいっぱいに描かれたマーガレットの花が咲き誇っていた。遠目でみても、それは目につく程だった。あぁ、見覚えのある絵だ…、とノートを手繰り寄せると小さな文字で“Y・S”とイニシャルが示してあった。Y・Sさんはこのノートの常連客の方で、度々ノートに絵を書いて下さる。私は、その線の勢いや儚さにいつも見とれてしまう。それにしても、飽きもせず書いて下さるなんてありがたいなぁ。

他にもこのノートには、神奈川県からミュージカルを見た帰り道に寄りました…、という方、時々作品を見にきては、ぽつりぽつりと感想を書いて下さる方、大阪から来て下さった方、“ガーデニングのことはよくわからないけれど、とても癒されました”と書いて下さったOLさんの言葉が記されている。また、子供達の愛らしい文字や青山展示スペースにて、今現在作品を展示している小口さんへの励ましの言葉。

様々な形での小さな小さな繋がり。

大都会の片隅にあるこんなに小さな場所であっても、誰かを励ましたり、励まされたり。
なんて心細くて、なんて優しい繋がりなんやろう、と改めて思う。誰にとっても、素晴らしい、圧倒的な場所では全然ないけれど、こんなにもひっそりしたコミュニケーションがあっていい。微弱な、目にも見えない程の微かな力を信じよう、とここに来る度思うのでした。

兆し

ookakiuchi2006-04-16

天気:くもり→晴れ

【参加団体】和っしょい/飯田 千華・黄/一庭入魂/Real time/テクノ・ホルティ園芸専門学校3年/フラワー&グリーン リーフ“Hiro”/鈴木達也/チーム・めがね/Black/ぐぷーぷ・ペタル/内海光浩/テクノ・ホルティ園芸専門学校フラワーディスプレイ部門2年/吉野美由紀/パーミィ

“ようやく先が見えてきた…”と、安堵感ともため息ともつかぬ声が聞こえるようになった今日この頃。特に学生さんからそういった声が多かった。

学生さんにとっては、設計から施工に至るまでの過程を踏むのは初めての方もたくさんいる。形になって表れるまでは、手探りの日々ゆえのグレイゾーン。…今、ようやく手ごたえあり、とう淡い“光”が差し込んでいるようです。後は、その“光”を信じて突き進むのみ。前進。

古(いにしえ)のもの

ookakiuchi2006-04-15

天気:くもり→晴れ

【参加団体】パーミィ/Black/一庭入魂/飯田千華・黄/Fighting/チーム・めがね/テクノ・ホルティ園芸専門学校3年/木ごころ/フラワー&グリーン“Hiro”/テクノ・ホルティ園芸専門学校フラワーディスプレイ2年/森緑園/平井直樹

土曜日・日曜日は、制作現場も賑わいます。

材料屋さんである“パーミィ”さんは、「仕事が、忙しいんだ!」と、言いながらもてきぱきと手を動かし、「今日1日で仕上げるよー」、と度肝を抜かれるお言葉を下さいました。…今日一日で仕上げ?ほんまに??

とにかく。土管や手押しポンプなど、古めかしい…、今や忘れかけた存在になりつつある品々を私がしげしげ眺めていると、パーミィさんがお声を掛けて下さいました。

「これは、買ったものじゃないんだよー。古くから家に置いてあるものを利用しているんだよ」と。今や、使われなくなってしまった品々を“もう一度使えないか?”という視点に立って考えているとのこと。

“今ここにあるもの”そして、“忘れられていくもの”に別の見方を加えて、新たなものを作り出す。それは、あたかも“Old new”古きを尋ねて、新しきを知ることになるかもしれない